AIの進化は、想像を絶するスピードで私たち仕事を飲み込んでいる。 これまでWebのフルスタックエンジニアとして必死に積み上げてきた「コードを書く技術」は、今や生成AIが数秒で、しかも正確にアウトプットしてくれるようになった。
焦りはある。でも、私は今、デジタルマーケティングという全く別の職場にいる。 一見、遠回りに見えるこの選択が、実はAI時代における生存戦略として唯一無二の正解になると考察している。
「綺麗なコード」より「動く商売」を
マーケティングの現場は、エンジニアリングの世界ほど理路整然とはしていない。 ステークホルダーのバラバラな要望、ユーザーの気まぐれな反応、昨日までの正解が通用しない市場。そこにあるのは、論理だけでは片付かない「泥臭い人間関係」と「感情」になる。
私は今、コードのマネジメントを捨て、プロダクトそのもののマネジメントに舵を切った。 AIにプログラムを書かせ、自分はビジネスの要件を整理し、泥にまみれてステークホルダーと調整し、なんとか形にする。技術の発信に酔いしれる時間はもうない。AIという強力な武器を携えて企画し、作って、市場に問う。その打席数が、今の私を支えている。
仮説と検証の、終わりのないループ
デジタルマーケティングの現場では、毎日が仮説と検証の繰り返しだ。 データを集め、集計し、頭を抱えて次の仮説を立てる。システムでは判断しきれない「文化的なニュアンス」や「ブランドの重み」を必死に考え、最後は自分が責任を取る。この、人間臭いフィードバックループの中にこそ、AIを使い倒す価値があることに気づいた。
私が今後目指す2つの方向性
私が目指しているのは、スマートな成功者ではない。
- 「事業家型エンジニア」として泥をかぶる AIをエンジンにして、ビジネスの仮説をその場でプロダクトに叩き込む。市場の冷ややかな反応に打ちのめされても、即座にコードを書き換え(あるいはAIに書き換えさせ)、自ら舵を切り続ける。
- 「エンジニアリングができるマーケター」として現場を回す マーケティングの「問い」を、即座に「動く解決策」に変える。作り、試し、泥臭く改善を回し続ける。
最後に
2025年。画面に向かって綺麗なコードを書くことに固執していた自分は、もういない。 AIという100人の部下を率いながら、最前線の混沌とした現場で、誰よりも早く形にし、誰よりも早く失敗し、そして誰よりも早く「価値」へたどり着く。
カッコよくはないかもしれない。でも、この「技術を武器にビジネスの泥沼を泳ぎ切る」力こそが、今、最も求められているものだと信じる。
